第4章 こたつでBirthday
「智、早くしないと約束の時間に遅れるよ?」
玄関からオイラを呼ぶ声。
「いつまでもこたつん中で丸まってないで…」
「だって寒いんだもん…」
「ほら、もう電源落とすからね?」
パチンとこたつの電源が落とされる。
途端に冷たくなるこたつ。
「もお、相変わらず意地悪なんだから、翔くんは…」
オイラは仕方なくこたつから出ると、オイラよりも少しだけ背の高くなった翔くんにキスを一つする。
「相変わらずなのは、智の方だろ? ほら、急がないと、潤にまたどやされるぞ?」
う〜ん、それはちょっと困るかな…(^_^;)
「行くよ? 今日は智の誕生日会なんだよ? 智が主役なんだからね?」
「わーってるよ(^-^)」
靴を履き、先に玄関を出ようとしたオイラの腕を、翔くんが引っ張った。
「えっ、なに?」
「忘れ物」
‥σ(๑• . •๑)?
「Happy Birthday 智…? 愛してるよ」
「ば、ば、ばか、とっとと行くぞ…」
ねぇ、知ってる?
あの日君たちから貰ったプレゼント、今でもオイラの宝箱の中に、大切にしまってあるんだよ?
勿論、君たちがプレゼントにコッソリ書いてくれたメッセージだって、ちゃんと気付いてたよ?
返事はそのうちね?
思い出は何年経っても、色褪せなることはないから…
でも、とりあえず、今は翔くんにお返事させてね?
「翔くん、今年こそオイラを翔くんのお嫁さんにしてね?」
おわり♥