第2章 こたつでサミット
「俺、まだなんもしてない…けど?」
呆気に取られた様子で俺を見下ろす翔さん。
そりゃそうだよね…
俺だってびっくりしてるよ。
まさか自分の手でイッチャウなんてさ…
「ごめんなさい…でも、俺…」
なんか情けなくなってきた…
「謝んなって、な? それよりほら、濡れたままじゃ気持ち悪いだろ?」
そう言って翔さんが俺の下着をズボンごと抜き取った。
突然外気に晒された素肌が、冷たい空気に僅かに震える。
「ヒーター付けような?」
翔さんがベッドサイドのチェストに向かって手を伸ばした。
でも俺はその手を掴んで、少しだけ潤ませた瞳で翔さんを見上げた。
「…いらない。翔さんが暖めてくれたら、ヒーターなんていらない」
俺が欲しいのはヒーターがくれる温もりなんかじゃない、翔さんが与えてくれる熱が欲しい。
「だーめ、風邪ひくだろ? 今年の風邪はしつこいいって聞くしさ…。それに、お前に風邪ひかれたら俺が困る」
手首を掴んだ俺の手をやんわり解き、翔さんの手がチェストの上のリモコンを操作した。
ピッと音を立て、途端に流れ出す温風。
「風邪ひいたりしたら、こんなこと出来なくなるだろ?」
上体を起こした翔さんが俺の両足を割開き、その間に身体を滑り込ませた。
そして俺の足を高く持ち上げると、俺の後ろにチュッとキスを落とした。
俺に見えるように…
「えっ…あっ…やだっ…」