第2章 こたつでサミット
翔side
「だから、どうしてお前ってばいつもそうなの?」
「何それ? 俺が悪いわけ? 翔さんだって勝手だろ?」
「はあ? 俺のどこが? っつかさ、お前だって…。っつかさ、もう止めにしね?」
こんなの堂々巡りもいいとこだ。
俺は持っていたボストンバッグを床に乱暴に放り、こたつに足を伸ばした。
テーブルにはすっかり冷めてしまった鍋と、山盛りのミカン。
ちょっと言い過ぎたかな…
少しだけ後悔するけど、一度着いてしまった火は中々消すことが出来ない。
事の始まりは、今から遡ることおよそ30分前。
ニノとセットでグラビア撮影が終わり、潤の家を訪ねた俺の手には、使い込んだ愛用のボストンバッグとブランケット。
ニノからの預かり物だ。
「お疲れ様。ご飯もう出来るから、先風呂入っちゃってよ」
潤がエプロン姿で俺を出迎えてくれる。
廊下の先からは、美味そうな匂いが漂ってきて、俺の空腹を刺激する。
「今日のご飯何? もしかして鍋?」
「うん。今日は少し冷えるからね? おでんにしたよ」
乱暴に脱ぎ捨てた靴を揃えながらも、潤の声が弾む。
おでんか…
「だったら晩酌は日本酒だな?」
「そう言うだろうと思って、ちゃんと用意してあるよ」
流石潤だ。
相変わらずよく気が利く。