第18章 〜10億円強盗事件〜
これまた驚きを隠せない明美さんに、私は苦笑いしつつ明るく自己紹介した
椎奈「初めまして。工藤椎奈です。ご存知の通りモデルやってます。よろしく、明美さん」
明美「!私の名前も知ってるのね…」
椎奈「はい。私、よく予知夢をみるんですよ。だから今回の件もそれで…。でも無事に成功して良かったです。じゃないと、妹さんと恋人さんを悲しませるとこでした」
明美「!」
私が満面の笑みを向けてそういうと、明美さんはまた目を見開いて驚いていた
予知夢なんかでそこまで知れるのか、と驚いているのかもしれない
椎奈「これからは生きていくのに色々苦労すると思います。でも、妹さんのために。あなたの恋人のためにも生きてください」
明美「!ええ…。そうね…。ありがとう!」
明美さんもようやく笑って、少しだけ涙を流した
それを取り出したハンカチで拭う姿を見て、私は和人お兄さんに視線を移した
椎奈「そう言えば和人お兄さん。届いたの?赤井さんからのプログラムもぎ取ったどメール」
村田「なんだいそのメールの名前…。どうやら少し時間がかかるみたいでね。それまでは公安が身柄を確保して安全体制をとる気だよ」
椎奈「そうなんだ…。ご協力感謝します」
村田「いやいや、俺たちがそうしたいだけだからね。公安も、君の頼みならと聞き入れてくれたよ」
椎奈「え?!」
過去に関わった歴があるとはいえ、民間人のいうことなんて信じるのか、と思ってしまった
村田「びっくりだよね。でも、君は俺たち警察をたくさん助けてくれたんだ。俺を通して情報も提供してくれている。そんな君のためなら協力を惜しまないつもりだよ」
椎奈「あ、ありがとうございます…」
まさかこんな積極性に協力を求められるとは思わなかった
なかば呆然とお礼を言うと、ポンポン頭を撫でられた
村田「…さて、宮野明美を連れいくよ。椎奈、君も家に連れて帰ろう」
椎奈「いいんですか?じゃあお願いします」
お言葉に甘えて、その日は私は家まで送ってもらった