第17章 〜前を向いて〜
零お兄さんが帰ってから、私は言われた通りにお兄さんたちに心配してくれたお礼と、もう大丈夫だということをメールで知らせた
すると、ものの数分でインターホンが鳴った
玄関を開けると、二度目の抱擁が待っていた……
萩原「椎奈ちゃああああん!!!」
椎奈「グフツ」←
相変わらずキャラが崩壊する研二お兄さんが、一番に私に抱きついた
彼だけではなく、陣平お兄さんや和人お兄さんや航お兄さんもいた
松田「萩原、やめてやれ。苦しんでんぞ」
萩原「ん?…おお、ごめんな」
陣平お兄さんに注意されて、やっと彼は私を開放してくれた
それを傍観していた和人お兄さんが、ふいに私の頭に手を置いた
村田「いつも通りに戻ってくれて良かった」
椎奈「心配かけてすいません」
謝ると、気にするなと頭をワシャワシャ撫で回された,。
しばらく撫でたあと、その手が止まって和人お兄さんは真剣な顔になった
村田「…これからのことだが…。今後は、君の持つこの世界の知識を、思い出せる範囲で何か起こるたび俺たちに話してくれないか?」
椎奈「!!」
村田「君一人じゃ解決できない事件も増えるはずだ。また君を傷つけたくはない。…あくまで一般人だし、公安に関わらせたくなかったが…。さすがにそうも言えなくなったろう?」
椎奈「そう、ですね…。分かりました。なるべく知ってる事件のことは話していきます」
村田「ありがとう」
椎奈「いえいえ!私の方こそありがとうだよ」
感謝したいのは私の方だ。
零お兄さんをはじめ、みんなが私を支えようとしてくれてるから
椎奈「あ、ところで新一の幼児化の件は…」
伊達「心配すんな、あの場にいた俺たち以外知らない」
椎奈「そっか…。零お兄さん、元の世界じゃ新一が幼児化してるなんて話は知らないし、このままで助かるよ」
萩原「そういうことなら」
きっと、この人たちとなら色んな人を助けられるだろう。
希望の光が、不安だった私の心に差し込んだーーーーー