第36章 〜赤白黄色と探偵団〜
ーーー数週間後
椎奈「おお!!ここが私たちのニューホームかぁ…」
ユキ「にゃあ…」
米花町のとある高層マンション(セキュリティ万全)を見上げ、椎奈とユキは感嘆の声を上げた
とりあえず荷物が届くのにまだ時間があるため、一足早く新しい家へ入ってみることにした
これから住む部屋は、とてつもなく広い3LDKだ
玄関近くには洋室が2つとお風呂とトイレが長い廊下に沿って並び、奥には広いリビングとキッチンと小さな和室があった
椎奈「(和室と洋室一つは私の部屋と物置に使って、2つ目の洋室は…ユキの遊び場でいっか!)」
何も置かれていない広々としたマンションの空間に新鮮さを感じて気分を良くしていると、新たな家のインターホンが鳴った
ピーンポーン……
椎奈「(あ、宅配業者さんかな?!)」
私はパタパタと慌ててインターホンのカメラを確認し、予想どおり宅配業者と分かると慣れないセキュリティに苦戦しながらも彼らと持ってきてもらった荷物を部屋に迎えたのだったーーー
そして昼
宅配業者さんの手を借りて家具の配置を終了させた私は、彼らが出て行った後からユキと一緒に食器や服などを収納した
(とは言いつつも、ユキは私のそばで片付けを見ていただけだけど…)
けど一人暮らしというのもあり、自分の分だけ持ってきたので半日もあれば全部を片付けるのには十分だった
そして私は近所の挨拶回りとダンボールの片付けも済まし、持ってき損ねたものがないか工藤邸に行くことにした
しかし、その帰りのことである
おしゃれなサングラスと帽子で顔と髪を隠し、何冊か気に入っていた本を入れた袋を持ってユキと歩いていると、本屋に目が止まったのだ
椎奈「(あ、そういえば新刊出てるかも…。どうせなら今買っとこうかな…)」
新刊欲しさに中に入ると決めた私は、足元のユキに声をかけた
椎奈「少しだけ行ってくるから、大人しくしててね」
ユキ「にゃあ」
足元から返事の鳴き声を一つもらい、私は店内に入った