第34章 〜赤と黒のクラッシュ (キール奪還)〜
ーーー数日後
工藤邸での出来事だった
丁度お昼の時間帯、私は自分の部屋で慌ただしくしていた…
椎奈「やばいやばいやばいやばい…!! のんびりしすぎた〜!!」
ユキ「ににぃ?!」
仕事の準備ができる時間ギリギリまで愛猫のユキに構っていた私
突然バタバタと走り回る私に驚き、立ち上がって尻尾が山形に持ち上がる
しかし、それを無視して部屋を飛び出した私に、ユキは慌てて私を追ってきた
私は長い廊下を走り、階段にさしかかった
椎奈「ユキ! 落ちないように降りてきてね!」
椎奈「にぃ!!」
バタバタバタ…ッと1人と1匹が急いで階段を降りていく
そんな中、私はうっかり足をグニっと捻ってしまい…
椎奈「えっ?!」
ユキ「にゃ?!」
ドタドタドタドタッ!!
そのまま、私は階段を滑り台のように滑って落下してしまった
やがて降りてきたユキが私に向かって鳴いてくるが、
派手に落ちて全身が痛く、足も捻挫していて動けない
ユキに指示して携帯を手元に運んでもらい、とりあえず救助を求めるメールを今日の警護係である風見さんに送り、私はため息をついた
椎奈「なんなのこれ…私って周りの影響を受けやすいってわけ?!」
先日に出会ったドジっ子青年よりも酷い惨事に、私は1人嘆いた
その後、ユキに鍵を預けて外に出てもらい、それを受け取って駆けつけてくれた風見さんに落下したことを説明すると、なんとも言えない呆れた顔をされたのだった