第33章 〜本堂瑛祐との出会い〜
椎奈「へぇ、転校生…。初めまして、工藤新一の姉の工藤椎奈です。人通りが少ないとはいえ公衆の面前でサングラスは外せないの。こんな自己紹介でごめんなさいね」
軽く自己紹介してユキを片手で抱え、握手を求めるよう手を出した
本堂「い、いえ!! こちらこそ、よろしくお願いします!! 本堂瑛祐でs……おわわっ!!」
なんと、握手しようと瑛祐くんが一歩前に出た瞬間、地面のタイルの欠けた部分に彼が足をつまずいた
そして前に倒れるかと思いきや、バランスをとって体勢を戻そうとし、数秒の格闘の末………
……………後ろに派手に転んだのだった
ズッテーーーンッ
本堂「イテテ……ッ」
椎奈「ええっ?!!」
園子「あちゃーっ。さすが不幸体質のドジっ子だわ…」
驚く私の隣で、園子ちゃんが額に手を当て、蘭ちゃんは苦笑いを零した
画面越しから見てもドジっ子だと思っていたが、いざ目の前でそれを繰り広げられるとは…
分かっていても驚かずにはいられない
椎奈「女の子ならドジっ子ってかんじで可愛いのに」
園子「あ、お姉様もそう思います?!」
同じ考えを持つ人間を見つけてキラキラ目で嬉しそうな園子ちゃん
しかし、実際この青年が頭のキレる人間だと知ってる私は苦笑いした
そして蘭ちゃんに起こしてもらい照れている瑛祐くんを見て、あの女性を重ねた
椎奈「(それにしても本当に似てるなぁ…。水無伶奈と瑛祐くん…)」
目元が恐ろしく似ている。実際に見て改めて実感した。
それに比べて……、と私は自身の弟である新一を思い浮かべる
椎奈「(私たちってどのくらいそっくりなのかしら…)」
そんな呑気なことを考えていた私は、まさか彼の不幸体質の影響を後日受けることになるとは思いもしなかったのであったーーー