第33章 〜本堂瑛祐との出会い〜
ーーー数日後
水無伶奈が病院に搬送されてから何日か経ったある日
その日最後の仕事が近場だった私は、夕方に帰り道として毛利探偵事務所の近くを歩いていた
芸能人がここにいるわけないという先入観からか、人通りも少ないこの辺りは昔から変装グッズがサングラスだけでもバレにくい
おかげで飼い猫のユキとのんびり帰ることもできるのた
椎奈「ユキはホントに大人しいね。スポンサーの人に今日も褒められたよ。賢い猫だってね」
ユキ「にゃあ」
自分の足元を離れず付いて来る愛猫に話しかければ、まるで返事するように鳴く
人間の言葉を理解するこの賢い猫に、心の底から嬉しくなった
そしてふと、対向車線沿いの歩道に帝丹高校の服を着た見覚えのある子たちが見えて立ち止まった
椎奈「(あれは…蘭ちゃんと園子ちゃんね。あとの子は初めて見るなぁ)」
いや、本当は知っている。けれど、この世界で会うのは初めてだ
とりあえず久しぶりに彼女たちに会っておこうと、私を見上げるユキを抱き上げて近くの横断歩道を渡り、駆け寄っていった
椎奈「蘭ちゃん、園子ちゃん!」
蘭「あ、椎奈お姉さん!!」
園子「お久しぶりです、お姉様!!」
私を見てパッと嬉しそうに笑ってくれた2人
その連れである同じく帝丹高校の眼鏡をかけた男の子は戸惑っている様子
?「え、えっと……」
蘭「瑛祐くんは初めましてだよね。この人は工藤椎奈さん。同じクラスの工藤新一のお姉さんで、一流モデルの藤峰椎奈として有名なんだから!」
園子「お姉様、この子は本堂瑛祐くん。最近転校してきた子なのよ」
蘭ちゃんと園子ちゃんが、それぞれ瑛祐くんと私にお互いを紹介してくれる