第28章 〜満月の夜の二次元ミステリー〜
椎奈「(そんなの…殺されていい命なんてない!!)」
ドガッ!!
私はとうとう、我慢できずにトランクを開けてしまった
けれど、同時にグイッと肩を蘭ちゃんに引かれて後退してしまった
蘭「椎奈お姉さんは、ここにいて!!」
椎奈「蘭ちゃん、ダメ……!!」
ベルモット「(そんな…どうして2人がここに…!!)」
先に志保ちゃんの元に行こうとする蘭ちゃんを少し遅れて追いかける私
スナイパーである組織の男・カルバドスは蘭ちゃんを狙い打っていた
ベルモット「待って!カルバドス!!」
椎奈「蘭ちゃん、哀ちゃん!!」
蘭ちゃんが銃弾を紙一重で回避しながら駆け寄り、哀ちゃんを守るように覆いかぶさった
私も、彼女たちを守るように蘭ちゃんたちの前に立ちふさがった
その時、カルバドスと暗視スコープ越しに目があった気がして、背筋がゾクリとした
椎奈「…っ!!」
ベルモット「カルバドス!!待ってっていってるでs…」
その時、ヒュンッと音がして、カルバドスのライフル銃が破壊された
カルバドス「?!」
椎奈「(なっ狙撃?!でも誰が…)」
村田《今の狙撃は俺だよ、椎奈》
椎奈「!!」
うっかり耳に挿しっぱなしだったイヤホンから、和人お兄さんの声がした
村田《間に合ってよかった…! 動くなと言ったのにまったく…。上層部に要請してライフルの使用許可を得るのが遅れた》
椎奈「お兄さん!!」
ベルモット「スナイパーがいるようね。けど、あそこから私は狙えない。さぁ、その茶髪の子からどきなさい…。死にたくなければ早く!!」
村田《くそっ…車が邪魔だぞFBI!!》
バンッバンッバンッ!
椎奈「…っ!!」
玉が私の体ギリギリに当たる度体を震わせても踏ん張る私
哀ちゃんを庇いながらも「椎奈お姉さん…っ椎奈お姉さん…っ」と私の無事を祈ってくれる蘭ちゃん
椎奈「…っどんなに打たれても、私たちはここから離れない…!この子を見殺しにはさせないし、失っていい命なんてないんだから!」