第4章 〜待ち望んだ出会い〜
5人のもうすぐで成人を迎える男たちが、幼い女の子(自分)を抱えてその家を訪ねるとは、とても異様な光景だったことだろう
スコッチ?さんがお母さんに今日のことを説明して、警察が来ることも説明してくれた
だが、その間に私はなぜか他のメンバー(伊達さんは見るだけ)にたらい回しで抱きしめられていた
現在、萩原さんにギュッとされている。
萩原「はぁ、あって間もないのにお別れとか…」
降谷「いいかげん離してやれ、萩原」
松田「別にまた俺たちが会いにくればそれでいいじゃねぇか」
萩原「…!それもそうか」
降谷「松田?!!」
何言ってるんだお前は、という驚愕の声を上げる降谷さん。
しかし、松田さんはそれを無視して、私に携帯を出せという……。
指示通りに携帯を出すと、彼は恐ろしいほどの速さで携帯の画面をタッチした!
ものの数十秒で携帯を返され、画面を見た。
……すると、連絡先に登録した覚えのないものが数件登録されていた。
椎奈「!!」
松田「俺たちの連絡先だ。出会いこそあれだが…まぁ、なんかの縁だ。疲れた時の話し相手にでもなってくれ」
萩原「お、松田ナイス!!」
ニヤリ、と様になるカッコイイ笑い方をした松田さん。
私の携帯を覗き込んだ萩原さんは嬉しそうだった
椎奈「…疲れてるのに話すの?」
伊達「訓練ばっかだと、癒しが欲しくなるもんなのさ。今日はみんないい息抜きになった」
…癒し?この短期間で何に癒された?
私が首をかしげると、伊達さんが頭をポンポンしてきた
なぜか降谷さんは何も言わず、複雑そうな顔をしたものの何かを諦めるようなため息をついた
もう反対するのにも疲れたのか……
有希子「今日は娘のためにありがとうございました!ほら、椎奈ちゃんもお礼言って!」
椎奈「ありがとう、お兄さんたち」
松田「お前、椎奈って名前なのか…」
その松田さんのつぶやきで、彼らとはまだ名乗り合ってないことに気づいた。
椎奈「あ、うん。工藤椎奈です!よろしくね、お兄さんたち」