第25章 〜会っちゃならん人たちが自宅で会ってしまった件〜
数分後。
赤井「……なるほど、未来を知る転生者、か」
全てを聴き終えた赤井が、そう呟くと黙り込んだ
本当にそんなことがあるのか、と頭の中で分析しているようだ
赤井がどう解釈し、この事実をどう考えるか…
俺たちの間には張り詰めた雰囲気が漂っていた
赤井「…この話が本当なら、世界中の諜報機関が彼女を狙うだろうだろうな」
村田「ああ。だから言わなかったのさ。FBIと公安がバトルとか嫌だしな。透なら喜びそうだが…」
赤井「俺も君たちと諍いを起こそうとは思ってない。安室くんも君も敵に回したくないのでね。約束通りこの話は漏洩しない」
村田「そうか…。いやぁ、助かるよ赤井」
赤井の返答で、張り詰めていた雰囲気が一気に消えた
そのせいで俺の口調も表情筋もつい緩む
赤井も穏便にすんで安心したのか小さく笑うと、席を立った
赤井「ジョディたちには何もなかったと言っておく。お邪魔したな」
村田「ああ。今後、何かあったらよろしく」
仲間たちと帰るようで、俺は赤井を玄関まで見送った
赤井が外に出ると、さっそくジョディという捜査官がアイツに駆け寄った
ジョディ「シュウ!!」
赤井「ジョディ、どうやら工藤椎奈は本当にただの一般人のようだ。公安に所属する知り合いが多く、組織の人間と知らぬ間に接触して護衛がついただけらしい」
ジョディ「…本当に?」
疑いの眼差しが、赤井に説明した俺に突き刺さる
俺が頷いてもしばらく彼女は俺を睨んでいた
だが、それも無駄と判断すると諦めたと示すようにため息をついた
ジョディ「…そう。とりあえずその話は信用するわ」
村田「それはどうも。では、気をつけて帰ってください」
最後に、中居努の爽やかな表情(カオ)で奴らを帰し、玄関を閉めると安堵の息をつく
村田「これでFBIにバレることはなくなった、か」
それにしても久しぶりに本職でピリピリした……
そんなことを考えながら苦笑いし、上の階で寝る椎奈の元にFBIが帰った旨を伝えに行った
ーーーー村田side終了