第24章 〜謎めいた乗客〜
ーーーーーその翌朝
椎奈「ハッ………クション!!ックシュン!!」
大きな建物・工藤邸に、そんな私の盛大なくしゃみが鳴り響いた
そして私がティッシュで鼻をかむベッドの隣で、和人お兄さんがため息をついた
村田「…これじゃあ、仕事のオファーは休むしかないな」
椎奈「やっちまったぜ…。ックシュン!!」
どうやら、昨日のお出かけで少しはしゃぎすぎたようだ
ファンに追いかけられたのである
その時に何故か風邪菌をもらったようで、くしゃみに鼻水に咳が止まらん
その状態を見た今日の警護をする人・和人お兄さんが顔を険しくする
村田「…とりあえず、病院連れて行くか」
椎奈「一緒に行くの?」
村田「嫌か?」
椎奈「そうじゃないよ。ただ私、変装用マスク着けれないから車に乗ってるの見られたら影で働く公安の職務の邪魔になるよ…」
村田「!だが……」
なおも、職務も私も両方を大切にしてくれるお兄さんが言い募ろうとする
だから私は、ある提案をした
椎奈「じゃあ、大勢人がいるバスで行くよ。それなら、あなたもいつもみたく影から私を守れるでしょ?」
村田「…悪いな。気を遣わせて」
椎奈「ううん。いつもありがと」
それが最善ととって、和人お兄さんが謝ってくれるのを、お礼を言って笑って返した
ーーーーーーとあるバス停
なるべく温かい格好にマスクを付け、リュックを背負う私は意識が朦朧としつつあった
それを心配そうに見る和人お兄さんの気配を感じつつ、目の前にやってきたバスに二人で乗車した
さりげなく隣り合う形で、私たちが座席に座るとバスが発進した
この時、私は気がつかなかった………
ジョディさんに会った後にバスなんて、『あの話』に飛び込んだようなものだと……