第22章 〜黒の組織から来た女〜
あれから3週間ほど入院した私は、やっと退院した
そして、事故で延期扱いとなった(マネージャーにあとで聞いた)ライブをその翌日にした
チケット完売なだけに、大人数がやってきてライブは大盛況で幕を閉じた………
その夜、会場から出ると、博士の車・黄色のビートルが門に止まっていた
阿笠「お疲れじゃのう、新一から話は聞いとるかの?」
椎奈「うん。なんか会わせたい人がいるんでしょう?」
阿笠「そうなんじゃよ。まあ、とりあえず乗っとくれ」
私は車に乗せてもらって、そのまま発進した
椎奈「とりあえず、荷物置きに帰っていい?」
阿笠「構わんよ。あとで来とくれ」
椎奈「はーーい」
ーーーーーーーーー阿笠邸
ピーーンポーーン…
博士「おお、椎奈くん。入ってくれ」
言われた通りにカバンを置いてからきた私はインターホンを押した
すると博士がすぐに入れてくれて、馬鹿広いリビングに来た
そこで、私はある子を目撃する
椎奈「……………」
?「………………」
…さて、どうしたものかと思う
目の前にいるこの茶髪の女の子
どう考えても灰原哀…宮野志保ちゃんだ
いったい入院中にどごまでストーリー進んでんだと思った…
ツッコンでも、現実なんてそんなもんと考えるほかない
さっきから私たちは見合ったまま一言も話さない
しかし、何か話さなければと思い、その目線にしゃがみ込んだ
椎奈「えっと…よかったらおかし食べながらお話しない?」
灰原「えっ…」
と、ちょうど持ってきたお菓子の袋を出し、志保ちゃんに微笑んだ
ボリボリという音を響かせながら、私はお菓子を食べる
博士は研究があるらしく、紅茶を出して部屋にこもった
ただし、重要なこと…彼女が新一を小さくした組織の人間だとだけは言って
ちなみにお菓子にまだ手をつけていない
椎奈「信用ない人からは受け取れない?」
灰原「…ええ。あなた、弟が私たちのせいで小さくなったのに、まったく気にするそぶり見せないもの」