第21章 〜事件を吸引する素質が移りました〜
椎奈「なんか、こうして零お兄さんに会えるのっていいかも」
降谷「そんなこと言うのやめてくれ…。嬉しいのか怒りたいのかわからなくなる…」
椎奈「一応、嬉しいんだねw」
クスクス椎奈が笑うと、降谷がムッとした
そして体をそっと離すと、肩に手を置いた
降谷「当たり前だろ?雑誌とか見るたび、いつも癒してもらってる…。少し寂しいけど元気をもらってる。だから、はやく元気になってくれ。いいね?」
椎奈「う、うん…!ありがと…」
降谷「!!…ああ、どういたまして」
椎奈は降谷のストレートな思いに俯いて耳まで真っ赤にした
それが嬉しくなった降谷が笑って頭を優しく撫でた
それにドキドキしながら、しばらく撫でられた後、椎奈は小声で言った
椎奈「…私、零お兄さんにこうされるの、けっこう好きだよ」
降谷「え…」
瞬間、降谷がビクっと震えたが、椎奈は気付かずに話し続ける
椎奈「私がまだ向こうで生きてた時の…。あの時に知った降谷零は、寂しそうな顔してたから…。だから、未来が変わって…幸せなままのお兄さんが私に対して嬉しそうに撫でてくれるの好きだよ…」
降谷「……」
椎奈「えっと…零お兄さん?」
無言のままの降谷に、椎奈がそっと顔を上げる
その時、額にチュッと温かいものが触れた
椎奈「…え?」
降谷「ありがとう、椎奈」
呆然となる椎奈に降谷が笑って囁くと、また彼は抱きしめた
しかし、彼女はあまりの衝撃にフリーズしていたのだった
それを、空いてる個室の隙間から見てる影が数名……
中居「……出直すか?」
松田「…だな」
萩原「椎奈ちゃんが…っ椎奈ちゃんが降谷に…うっ…グスッ」
伊達「萩原…お前泣くなよ」
ーーーーーーー第三者side終了