生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第11章 医者志望の医療行為(*)
ぐったりとしながらも離れたくなくて抱き寄せた身体の、そんな様子に再び熱が集まり始めてしまう
それをワザとらしく擦り付けてみると、耳まで真っ赤になって小さく震えていた
『これは、ヤバいな』
どうしても腕の中にあるセナの仕草に一々煽られてしまう
本人は無意識なのだろうが、何度だってこの身体を抱いていたい…離したくないと思うのだ
「もう一回…」
「?!それはムリッ」
「煽るだけ煽っておいて…都合が良すぎじゃねェか?」
「だから煽ってないってば!なんでまた硬くなってるの…?!」
「お前が悪い、今度は優しくしてやるから」
「やっ、ダメだって…もうっ!!」
情欲の炎を灯した瞳をギラつかせて迫られると、それだけで逃げられなくなってしまう
結果的に押し切られて再び向かい合うと、キスを受け入れた
それが第2Rの合図になる
ガチャッ
…はずだった
「会長ーセナの荷物持ってきました、け、ど…」
ドアを開けて入ってきたのは自分の荷物と、セナの荷物を抱えたシャチ
しかし目の前の光景に、思わず荷物を落として尚且つ固まってしまっている
「☆$%○×€#=〜〜?!」
「いやいや何語だよッ!」
声にならない声を上げたセナは、思わず目の前のローを突き飛ばしてしまった
人語ではない言葉に、つい条件反射的に突っ込んでしまったシャチはしまった!と青ざめる
「おーいシャチ、入り口で止まんなよ」
「わーっペンギン来るな来るなっ!!」
「お前ら何してんだ?入らねぇのか?」
「押すな麦わらーっ!!!」
シャチの叫びもむなしく、勢いよく体当たりしてきたルフィがペンギンを巻き込んでシャチとぶつかり、3人まとめて生徒会室に入ってしまった
「セナ早ェな!」
「あ、うん」
3人が会話をしている間に制服を着たセナはドギマギしながらルフィに頷く
「はは〜ん、シャチ。お前バラされるな」
場の雰囲気で全てを悟ったペンギンは、恐怖に戦慄く幼馴染の肩を叩いた
不機嫌を隠そうともしないローの能力を知るシャチは、その場で床に泣き崩れてしまう
「ギャッ!!」
帰り道、学園を出たところで短い叫びと共に"オペ"は行なわれた
幼馴染の身に起きたことを、先を歩いていたセナは知らない
熱を持て余す医者志望の医療行為は、始まったばかり