第32章 大慰労会
『あぁぁぁっ!こぼれた…!って、ごめん伽羅ちゃん!ちょっと濡れちゃった…!』
私はお酒で濡れた伽羅ちゃんのズボンを慌てて拭けば、手を掴まれた。
倶利伽羅「…っ、…自分で拭く…」
『えっ、でも…』
倶利伽羅「いいから…」
そんな伽羅ちゃんは何故か頬を赤らめていた。
理由は定かではない。
『そう?じゃあお願いしちゃうね』
布巾を伽羅ちゃんに渡せば、今だに後ろから抱きついたままの鶴丸をじとっとした目で見た。
『鶴丸?』
鶴丸「あ、あぁ!すまないな伽羅坊!主が来たから、嬉しくてつい…な?」
なんだろ、素直で可愛すぎるんだけど。
いつもはこんなこと思わないのに←
あぁ、ついに私の頭もイカレテキタカ。
『鶴丸、とりあえず離れようか』
鶴丸「離れたくないな、やっと主に触れたんだ。もう少しいいだろ?」
そう言いながら更にぎゅっとしてくる鶴丸。
……可愛い。なぜだ……!!
私は甘えん坊に弱いのか?そうなのか!?
そんな私は抱きついたままの鶴丸の手を撫でた。
『はぁ、もうちょっとだけだよ?』
鶴丸「!本当か!?ははっ、そう言われるとずっと離したくなくなるなぁ」
『なら離せ』
鶴丸「す、すまんすまん」
鶴丸を可愛いと思ってしまう自分にイラっとくる
なぜだろう、認めたくない可愛さ。