【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
第七話「忍術学園へ」
「わぁぁっ!」と大声を上げて麻言は跳ね起きた。
浅く荒い息を繰り返し、気持ちを落ち着かせようとする。
浮き出た脂汗がつと伝った。
暫くそれを繰り返していると、
内側から忙しなく鳴り響いていた心拍も緩やかなものになり、
同時に気持ちも落ち着いてきた。
「はぁ~…。何だったんだ?」
今のは―と、麻言は夢の内容を思い出そうとするが
「……あれ?」
記憶を探ろうとした途端、気付いた。
夢の内容が欠片も思い出せない事に。
先程までくっきりと鮮明に覚えていた筈だが、
まるで溶けて消えてしまったかのようだった。
麻言は疑問に思いながらも、ふと窓の外を見る。
空はもう白んできていた。
もう一眠りしたいところだが、このまま寝てしまえば
次はいつ起きれるか解らない。
それに、兵庫水軍達の朝餉の準備がある。
手招く睡魔を蹴散らすと、麻言は
速やかに起床準備を始めた。