【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
『―よっしゃああああああああああああああっ!!』
と兵庫水軍が雄叫びのような歓声が上がったのだ。
途端、皆が怒涛のごとく麻言を囲んだ。
「宜しくなぁ麻言っ!!」
疾風が笑顔で手を差し出してくる。
それを掴むと
「ええええええ。い、良いんですかね~?
というか僕、まだ皆に会ってから昨日の今日なのに…」
「そんなの関係ねえよっ!
それに、俺等は麻言の事気にいっちまったんだからっ」
「そうそう、気にすんなっ」
その横から豪快に笑って言ったのは蜉蝣だ。
続く由良四郎も笑顔で同意する。
「私もよく食事当番になるんだが、正直忙しい時もあるから助かるよ!」
頭上から振ってきた声は鬼蜘蛛丸。
「というかや~っぱ、女だったんだねぇ。通りでなあ」
そう後ろで言ったのは網問だ。
どういう意図なのか解らないが妙にニコニコと楽しげだ。
「宜しく、麻言。何かあったら遠慮なく頼ってくれよ」
義丸はすっと距離を詰めると顔を近づけてそう言ったが、
鬼蜘蛛丸がその後直ぐに襟を引っ張って、遠ざけた。
「宜しくな~、麻言っ!
お前みたいな仲間が増えて嬉しいよっ!」
重が無邪気に、手を取った。
「おい重っ、お前どさくさに紛れて…!あっ、宜しくな麻言」
「いあいあ、間切だってちゃっかり何してんだよ!」
はにかみながら、間切が握手をすると
航が横から突っ込みを入れつつ、麻言と
目を合わせると、「宜しくな」と笑顔になった。
ーと。
ぬっと横から出てきた東南風が。
「…お前が何だろうと、遠慮はしないからそのつもりでな」
そう言うと、何となく言葉の意図を理解した麻言が
笑顔で深く頷く。
もみくちゃで苦しいのに何故か麻言は
今嬉しくて嬉しくて堪らなかった。
さっきまで、不安だったのに。
ふと少し離れた所にいる舳丸と眼があった。
聞こえるか解らないので口パクで『宜しく』と
笑顔でそう言うと、目を丸くして
すぐにぱっと逸らされた。
心なしか少し顔が赤い。