【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
「解りました…!有難うございます!あ…えーと…それから―」
「それから?」
「あの私…その時、席を外しても構いませんか?」
白南風丸のその申し出に第三協栄丸は「はあっ?」と眉間に皺を寄せた。
「あのなあ、白南風丸…!お前さんは確かに今のところ『補欠』だが
精鋭になるだけの素質は十分ある男なんだぞっ!」
そう叱咤する第三協栄丸だが、白南風丸の言葉の意図を捉え間違えている。
「ああ、違うんですよお頭ぁっ!そういう意味じゃなくて…!」
慌てて目前で両腕を振り回す白南風丸の顔が
みるみるうちに赤くなっていった。
しかし、それを意に介さず「じゃあ、どうしてだよっ」と
第三協栄丸が詰め寄ると。
「あーえっと、だからー…!…あ」
白南風丸の顔はすっかり真っ赤に染まってしまっていたのだが、
片鼻からまた鼻血が垂れだしたのだ。
「はっ!?お、おい白南風丸?」
大丈夫かっ?と慌てて近づく第三協栄丸。
白南風丸は鼻を押さえてあたふたすると。
「ーっ。と、とにかくお願いひます~っ!」
「お、おいっ!白南風丸っ!白南風丸ぅ~っ!?」
第三協栄丸の叫びも虚しく、
白南風丸は鼻を押さえたまま全力で駆けていってしまった。