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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】


「ん。じゃあ、何で喜八郎君はあそこにいたの?」

もう一つの疑問が浮かんできて、麻言が質問すると

「巡回~。作ったばかりだったから見栄えを確かめに戻ったら、な~んか、早速はまっちゃってたんだよねぇ」

そう言って、本人はガッカリと口にするがどうもそう思っているようには見えない。
―と。

「麻言さぁ~んっ!」

誰かの呼び声が聞こえ、麻言は思わず周囲を見回した。
しかし、姿は見当たらない。
何処かで聞いたことがあるような……?
呼び声はまだ続く。
どころか、他に聞き覚えのない声も違う場所からいくつか聞こえる。
全て麻言の名を呼んでいるのだ。

「この声。小松田さんじゃない?」
「うん、もう一つは久々知先輩じゃないかな」
「後、竹屋先輩と尾浜先輩みたいだね」

一年は組達が口々に言う中、一人、秀作の名だけは理解できたが何故捜索されているのか思い当たらない。
そこでふと、庄左衛門が空を見たのだ。
夕方というにはまだ早いが日は傾きつつあった。

「そっか……!きっと、先生達の話が終わって麻言さんを探してるんだよっ」

そう言った途端、一年は組全員が『えええぇぇぇぇ~っ!!」』と叫んだ。

「もう、帰っちゃうの~……?」
「まだ色々案内したいところがあったのにぃ」

しょんぼりとした顔で伊助と三治郎がそう言うと、
二人の頭に麻言は優しく手を置いた。

「また来るから、その時は是非お願いするね。今日はすっごく楽しかった」

麻言がそう満面の笑みで言うと、沈んでいた一年は組の面々がぱっと花咲いた。

「約束だよっ!絶対来てねっ」
「今度はもっとゆっくりしていってね」

団蔵、虎若が言うと皆がわっと縋り付く。

其時少し離れた茂みから、ばさりと音を立てて秀作が現れい出た。
麻言の姿を認めるとほっとした顔をして

「良かった麻言さん……!こんなところに居たんだ~」

と声を上げて駆けてくる。


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