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失恋から始まる恋

第2章 失恋しました


「ごめん!待った?それで用事って?」

ほどよく日焼けして、爽やかそうなスッキリした顔立ち、筋肉質な身体つきのこの人、鈴木 ひかる。私の初恋の人です。
そして、これから告白します!

「待ってないよ!でね、用事っていうのは...」

心臓がバクバクする、逃げ出したくなる気持ちを抑えてぎゅっと目をつむった。

「す、好きですっ!..付き合ってください!」

しばらくの間(といっても実質十何秒くらい)沈黙が続いた。
心臓がバクバクいって静かにならない、どうしよう、何かいった方がいいのかな...?

「..ごめん。」

え?...今、なんて..?
思わず目を開いてひかるの顔を見てしまった。
すごく申し訳なさそうな顔で目線を下に落としていた。
...もしかして、迷惑、かけちゃった..?

「ごめん..俺、好きな人居るから...」

好きな人?誰なのか気になるのに聞きたくない、泣きたい..だめ、ここで泣いたらひかるを困らせちゃう...

「あ、そ、そっか!ごめんね、急にこんなこといって...困らせちゃったよね...そ、それじゃ、用事はそれだけだから!」

そういって振り返らずに女子トイレへ逃げ込んだ。
一番手前の個室に入って声を押し殺して泣いた。
唯一幸いなことは、ここにくるまで泣かなかったことと、今が放課後だったことで人があまりいなかったことだ、
涙が溢れてくる。失恋するってこういうことなのか...心に貯まっていた幸せが全部目からこぼれてすっからかんになったみたいだ。しばらく泣いて
よし、もう止まった....泣いたあとの顔を水道の水で冷やして女子トイレから出た。

「よっ、遅いじゃん。まさか大便でもしてたのか?」

「うるさい、どうだっていいでしょ...てかなんでいるの?」

このデリカシーのない奴、栗原 茜 (クリハラ アカネ)
健康的な肌、最近鍛えてるみたいで筋肉質になってきている身体つき、別に顔は悪くないしよく告白もされるみたいだけど...
とにかくデリカシーがない!!泣き顔を見られたら絶対からかわれるから顔をみせないようにしていると

「ほら、お前の荷物。帰るぞナギー」

と、鞄を渡された。
こういうたまに気が利くところも気にくわない
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