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100日間のプリンセス~月が導くセレナーデ~

第1章 Blue Moon~with Jill Birthday~


「ならば証明してくださいね」

指で唇をなぞり微笑む。戸惑うリルの耳元で

「どうしたのですか?嫌ではないのですよね?」

手をそっと自分の頬へ導き微笑む。ジルの瞳から目が離せずおずおずと唇を寄せた

味わうように何度か下唇を挟み堪能し、唇を離した

「よく出来ました。あなたの唇は何度味わっても甘いですね」

こめかみにキスを落としジルは膝の上にリルを座らせ長く柔らかな髪に指を絡ませた

「あ、あのね、ジル。夜は時間ある?」

「ええ、夕方には全て終わりますので、時間はありますよ」

(夜にたっぷりと愛して差し上げましょうかね)

意思を隠し微笑むとリルは花が咲いたようににっこりと微笑む

「良かった!夕食後にジルの部屋にお邪魔してもいい?」

(全くこの人は私の意思などつゆ知らずですか)

「ええ、構いませんよ。最近はお互いに忙しくて二人きりの時間もあまり取れていませんでしたしね」

「ありがとう。楽しみにしてるね」

そっとジルの胸に手を当て体を預ける。二人だけの穏やかな時間。束の間だが、二人は幸せな時を過ごしていた



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「ご馳走様出した」

食事を終え、ユーリの入れてくれた紅茶を飲みながらジルに会える喜びを噛み締めていた

(ジルとゆっくり会えるの楽しみだなぁ)

「あれー?リル様、いいことあったの?」

ニコニコと声をかけてくるユーリ

「え?わ、私、そんな顔してた!?」

「うん、とっても幸せそうな顔してるよ。俺の淹れた紅茶気に入ってくれたの?」

「え?うん、この紅茶とってもいい香りで美味しいよ」

「でしょ?ユーリ特製のブレンドだよ。いい茶葉を城下で仕入れたんだ」

「そうなんだ。優しい香りで私、好きだよ」

「あー俺も飲むー。ユーリ一杯淹れてくれるー?」

食事を終えたノアも紅茶を飲みにリルの前に腰掛けた

「あ、ノア。凄く美味しいよ」

「へぇー楽しみ。ところでリル、凄く幸せそーだね」

「ノア様もやっぱりそう思います?凄く幸せそうですよね、リル様」


「そ、そんな事ないよ。明日は公務もないから、ゆっくり出来ると思って…」

あたふたとしながら必死に答える

「へー。まぁいつも頑張ってるもんねー、生き抜きしないとねー」


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