第3章 同じの違い~birthday Alan~
城の皆がアランとレオの誕生日パーティを開いてくれた。リルが来てからが来てから、城内は賑やかで笑顔が多くなったとアランは思う
「リルちやんか来てから賑やかになったよね」
ニコニコしながらレオはそばに寄ってくる
「そーかもな」
双子とは言え、同じ事を考えてた事に腹が立つ
「そう言えばリルちゃん、どこいったんだろうね?」
「?」
辺りを見回していると、ひょっこり帰ってきた
(挙動不審だろ)
「どこいってたんだよ?」
「あ、うん、部屋にちょっと行ってたの」
(部屋?まぁいいか。こいつには俺のお願い聞いてもらう約束してるし。そん時聞けばいいや)
「皆、アランとレオのこと大事にしてくれてるよね」
花が咲いたような笑顔を周りの人間にに見せるのは癪に障る
「なんでお前がそんなに嬉しそうなんだよ」
「だってアランの誕生日だもん。嬉しいよ」
(こっちの気も知らないで)
早く二人きりになりたいが、まだパーティは終わらない。真新しいワンピースを着たリルを独り占めしたい気持ちをぐっと胸の中にしまった
「あ、ジル!」
「アラン殿、お誕生日おめでとうございます」
「ああ、サンキュー」
「ジル、俺も誕生日だよ?」
(いつの間に戻ってきたんだこいつ)
レオが悲しそうな声でジルに告げる
「そうでしたね。あなたも誕生日でしたね」
「全くジルは冷たいなぁ~。ねぇリルちゃん」
「ふふ、ジルとレオって仲いいよね」
和気あいあいとした雰囲気、その中で凛として咲く花のようなリル。危なっかしくて、守りたくなる健気な恋人は誰からも愛されるプリンセスでもある
(ったく、こいつほんと、危なっかしい)
「あれ、アラン、もしかしてヤキモチ焼いてるの?」
ニヤリと笑うレオにうんざりする
(こいつ、わかってて言ってるよな)
「別に」
「昔はもっと可愛かったのになぁー」
「お前も昔はそんなにひねくれてなかったと思うけど?」
「ねーねー、二人で何話してるの?」
何も知らないリルはきょとんとした顔で二人を見つめていた
「何でもねぇよ。ほら、お前、ケーキ食いたかったんだろ?取りに行くぞ」
「うん!」
楽しそうに迷っているリルを見て、優しい微笑みを浮かべた