第14章 第4話 2人の男
密林、大自然。
此の手の島は苦手だ。
暑いうえに生い茂る草花は、邪魔にしかならねぇ。
「おーい、大丈夫かい?」
島に着いた途端、冒険だ!と叫んで森に突進していった。
慌てて追いかけたが見つけた時には、既に最初の元気は無く様子がおかしい。
『ク、ザン冒険って暑いのね』
暑い?
確かに俺にとっては暑いがこれぐらいの気候は普通の人間にとって丁度いいはず。
やけに頬が赤い。
俺は、の額に手を当てて慌てて外した。
「熱っ!ちゃん熱あるぞ。
いつから具合が悪いんだ?」
『えっ?そう?知らなかった』
本人がこの調子なら俺が気付くのが遅くなるのも当たり前だ。
だが、早く気付いてやってればと後悔の波が襲う。
「ほれ、背中に乗れ。船に戻るぞ」
冒険 と、何度も呟くを背負った俺は来た道を戻る。
『ねぇ、クザン・・』
「わかってる」
無人島かと思いきや、人の気配。
そして、殺気。
殺気が無ければ医者でも尋ねるところだが、そんな暇はなさそうだ。
シュパーッと飛んで来た、石の槍。
その速度は人間業ではない。
『私達はあなた達に危害を加えるつもりはありません!
ただの旅人ですッ!!』
「おい!」
背中で叫ぶの口を塞ぐ事は出来ない。
石の槍を使ってる文明の奴らに理解出来るはずがねぇでしょ!と思いながら俺はまた、ため息を吐く。
予想外な行動、もう慣れるしかない。
ーガサガサガサー
「その女、病気か?」
薮の中から出で来た数人の原始人。
上半身裸、太った体格、どう見ても文明が発達しているのは思えない。
「・・あぁ、熱がある。
船に薬があるから戻るところだった。
勝手にこの島を歩き回って済まなかったな」
ここで無駄な戦闘は避けたい。
「それなら村に来いよ。
今、医者が来ている診てもらった方が早い」
「医者・・」
「そうしなさい。
その娘、ここの虫にでも刺されていたら大事だ」
その可能性もある。
日光浴中に辿り着いた島。
そのまま入って行ったは、服など着ていないビキニ姿。
「悪い、助かる」
村はすぐそこだと案内された。
の体温が急激に上がっているのが背中から伝わってくる。
早くしないと一刻を争いそうだ。