第13章 第3話 不寝番
生きていた。
赤犬との死闘とも言えるあの戦い。
死ななかったって言った方が正解か。
敗れ、海軍を辞めようとしていた俺にDr.ベガパンクが内密に頼みたい事があると言ってきた。
どうせ目的の無い旅だったし、左足の具合を見ながらと考え俺は安請け合いしてしまった。
誰かは会えばわかると言われ、指定された場所へ行った。
少し考えればわかった事。
あのDr.ベガパンクが海軍を使わず頼みたい事と言った真意。
そして、他人の為に動かないDr.ベガパンクが人の頼みを聞いた事。
Dr.ベガパンクが海軍で唯一気に入っていた人物の依頼だと早くからわかっていたのなら、俺はこの話を断っていた。
ドアを開けた途端、ガクッと肩から荷物が落ちたのをよく覚えてる。
場違いな格好、場違いな人物。
そこにはがいた。
海軍が血眼になり探し回っている手配書の海軍少将。
どういう思惑で手元に置いていたのかは、センゴクしか知らない。
だが、世界政府はを野放しに出来ないと多額の懸賞金を掛けた。
ONLY ALIVE 生け捕りのみ。
一緒に旅をする気は無かった。
だが、ニコ・ロビンに会いに行くと聞き関心が湧いた。
は一体何を考えてる?
一体何をする気だ?
唯一、歴史の本文が読めるニコ・ロビン。
そして、何かの鍵を持つ。
から目が離せない。
こうして俺は、と旅する事になった。