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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第19章 第9話 愛しています




その夜、再会を祝う宴が始まった。
小さい頃から慣れ親しんだ、懐かしい宴。

イゾウは未だ不機嫌、マルコは挙動不審な所を除けば いつもと変わらない宴だった。

「ユキ!こっちお酒持って来い」

「はいはーい、只今!
ちゃん、これ私のオススメよ」

ユキ この店の店員さん。
見た時は驚いた、だって昼間見たちゃんのお母さんだったんだ。

『ありがとうごさいます、ユキさん』

若くて美人なのにちっとも気取らない、愛嬌が素敵なユキを私はすっかり気に入っていた。

「そう言えば、船を降りてから何処で暮らしてたんだ?」

『ワノ国よ』

兄様達に言った事がなかった事を私は話した。
どんな生活をしていたのか、どんな体験をしたのか。
ジャズは楽しげに聞いてくれた。

だが、そんな私達の様子をジーっと見つめる1つの視線。

『・・マルコ兄様!さっきから一体何?!』

「い、いや!何でもねぇよい!!」

明らかにおかしなマルコ。
それを意味深に笑うのはジャズ。

『ジャズ兄様、何か知ってるんでしょ?
そろそろ、教えてよ』

何度聞いてもはぐらかすジョズ。

マルコはおかしかった。
視線が合わない、合っても直ぐ様晒される。
返事も何処か挙動不審だし、何より自らは話しかけてくれない。

あっ!もしかして・・
ある考えが浮かんだ時、頬が紅くなるのがわかった。

昨夜の事が夢ではないと気付いたのかもしれない。
だから、あんなにおかしいんだ。

そう思うと早く、この気持ちを伝えたい。

『マルコ兄様、後でお話があるのいい?』

「ーーぁ、ああ、わかったよい」

驚いた顔は一瞬で、直ぐに真面目な表情を見せる。
その表情は、覚悟を決めたかの様にも見えた。

私も覚悟決まったよ。
するべき事がまだあるけど、今は今だけは自分の気持ちを優先したい。

気付かないフリして隠していたこの気持ちをもう、閉じ込める事は出来なかった。


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