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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第18章 第8話 再会





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軟禁と訴えたら助けてもらえるだろうか・・
窓から溢れる日差しを浴びながら、ぼんやり外を眺めていた。

静かな村。
新世界とは思えないほど、のんびりとしていた。

ふと、視線に気付く。
庭に植えられた木の陰から覗く小さな顔。
ストレートの金髪の女の子。
年の頃は5歳ぐらいだろうか。

『こんにちは』

話しかけた途端、ビクッと身体を震わせ木の後ろに隠れる女の子。
怖がっているってより恥ずかしがっている印象を受ける。

『初めまして、私って言うの』

そう言うと、丸く大きく開いた瞳を見せてきた。

「・・あたしの名前もなんだよ」

えっ?同じ名前?

「パパが名付けてくれたってママが言ってたの」

『私と同じ、私も父様、パパが付けてくれたのよ』

緊張が解けたのか、窓へと近付いて来たちゃん。
村の事、母親の事、友達の事いろんな話をしてくれた。

『パパはどんな人?』

朗らかだった表情が一瞬で変わった。
聞いてはいけなかった。

「パパのお顔知らないの・・」

産まれてから1度も会った事がないと言う。
何と声をかけてあげたらいいのだろう。
口籠る私にちゃんは笑顔を見せた。

「でも、平気よ。
パパはね、偉くて強い人を守ってるんだってママが言ってたの。
だからあたしと一緒にいられないんだって。
でもね、パパは強くて鳥みたいに自由な人だから死なないんだよ」

そして、コッソリ教えてくれた。

「ママに好きな人出来たみたい。
その人と一緒にいるママは、パパのお話をしてくれている時と同じお顔なんだよ」

『そう、良かったわね』

嬉しそうに話すちゃんに私も嬉しくなった。
大切な人を想う気持ちは大人も子供も変わらない。

「?どこなの?」

聞いた事の無い女の声。

「あっ!ママだっ!
また、お話してね お姉ちゃん」

手を振り駆け出したちゃんは、綺麗な女性の腕に飛び付いた。
安心しきった顔を見るとあの人が母親だろう。

幸せそうな光景に私は、笑みを浮かべた。



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