第17章 第7話 別れと旅立ち
「少将、出発の前に宜しいですか?」
運んでもらっていた小型ボートの準備が行われている時、ダイギンが話しかけてきた。
『何?』
「本当にこのボートでこの海を渡る気ですか?」
ダイギンは、ボートを訝しげに眺める。
確かに頼りない小型ボートだが、ある貝を使っているのでスピードも船より断然出るのだ。
『うん、問題ないよ』
「・・少将がそう仰るのなら構いませんがお気を付け下さい。
それで、少しお耳に入れていて欲しい事があるのですが」
そう言って切り出された話。
私が海軍から離れている間いろんな事があった。
勿論、知ったいる内容もあったが知らない事もあったのだ。
まず、海軍本部を新世界に移した際に世界徴兵で藤虎イッショウと緑牛が大将になった。
七武海は、ジンベエとティーチが除名。
モリアも戦死扱いで除名。
その後、ジンベエはビッグ・マムの傘下に入る。
新たに七武海入りしたのは、バギーとエドワード・ウィーブル。
『エドワード?』
「確信が取れていませんが、白ひげ エドワード・ニューゲートの実の息子との事です」
父様の・・
息子・・?
『・・嘘ッ』
「黄猿大将曰く、腕は白ひげに劣らないとの事です。
現に白ひげ傘下の海賊団16団が破れています」
AO海賊団が壊滅したと言うダイギンの言葉に耳を疑った。
『嘘だ!そんなの・・
父様の息子がそんな事するわけがないッ!
そんなヤツが、父様の息子なんかじゃない!!』
「お気持ちは察します。
ですが、壊滅した事は確かです」
『そんな・・』
「・・まだ未確認ですが、白ひげ海賊団の残党狩りがティーチの手によって行われてようとしています」
燃え始めたビブルカードは、マルコだけではなかった。
ジャズもビスタも他の兄様達のカードも燃え始めていたのだ。
『・・わかってる。
戦いは既に始まってるの、だから急いでるのよ』
死ぬはずがない。
破れるはずがない。
皆んな、あの父様の息子なんだから。
でも、父様を失った悲しみは私以上なはず。
皆んなの精神状態が心配だった。
「後もう1つ。
七武海入りに反対した将校が海軍を辞めて、新たな組織を率いているようです。
あの方は、少将でも手強い相手です。ご注意下さい」
そう言うダイキンに私は頷き返し、海を見つめた。
手遅れになる前に急がなくては・・・
