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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第17章 第7話 別れと旅立ち





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突然着た連絡。
相手はパシフィスタと名乗った事に俺は驚き。
少将からの伝言に、腰を抜かした。

疑いながらも、指定された24番GRに向かえばそこにはあの日生き別れた上官の姿。

『あっ!ダイギーーーンっっ!!』

手を振る少将は相変わらずらしく、賞金首の自覚さえない様子。

「少将!
貴女は、貴女はッッ!!」

対面した少将の肩を掴み、ガタガタと揺する。

あれ程の苦難。
変わらぬ笑顔。

「ご無事で安心しましたッッッッ」

航海するのに最低限の海兵を連れて来た。
全員、少将に恩義があり裏切る事はない。
例え、それが海軍の誇りを穢す行為だとしてもだ。

『ダイギン・・皆んな・・・』

男泣き。
これほど、嬉しかった事はない。

「早速ですが、ご要望を承ります」

涙を振り絞り、敬礼する俺にはにかんだ笑顔を見せる少将。

『うん、早速でごめん。
私を新世界に連れて行って欲しいの』

進路は海軍本部でいいと言う少将。
もしバレた場合を考えて、勝手に逃げ出した程にするつもりらしい。

「了解」

テキパキと指示を出し、少将の荷物を船に乗せ出航した。
人気の無いGRだが内密に事を運ばなければ少将の身に危険が及ぶ。

『良かった、来てくれて』

「上官の呼び出しです、飛んでくるのが当たり前ですよ」

現在俺は、違う上官に付いている。
が、昔も今も命を懸けてお守りしたいお人はこの人だけだ。

人生で出会った人の中で1番破天荒だったお人。
目が離せない人物がいつの間にか、目を離すことが出来ない人物になっていた。

「今まで何処で何をなさっていたのですか?」

『うーん、知らない方がいいと思う』

「これから何をするおつもりですか?」

『それも知らない方がいいよ』

1年前は、絶えずそばにいて言われる前に気付き、行動していた。
だが、今では何1つ分からず教えてさえくれない。

俺のためだとはわかっている。
だが、心が苦しい。

このまま少将にお仕えし続けたい気持ちが膨らむ。
けど、少将はそれを望まないだろう。

眠たげに眼を擦る少将。
ここにいる間ぐらい、ぐっすり休んでもらいたい。
今の俺には、それぐらいしか出来なかった。





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