第17章 第7話 別れと旅立ち
ログポースも無事に溜まった。
それを俺に渡し、は船を沖に出す。
『ありがとーーう』
叫び手を振るに振り返すのは俺だけ。
鷹の目もロロノアも見送っていたが手は振らなかった。
「行っちまったな・・」
とうとう、1人で旅立った。
俺の傍らには、愛用の自転車。
あれほど乗り気ではなかったとの旅。
バラバラに行動する事になった今では、少し寂しいと感じる。
「父親に会いに行ったのかね〜」
何処に行くとは言ってなかった。
話の流れ的に、父親に会いに行ったのだろう。
だが、返事を期待していなかった俺の耳にロロノアの声が聞こえた。
「あいつは男に会いに行ったんだ」
「!!?」
「男って・・父親じゃなくてか?」
「あぁ、好きな男に伝えに行くつもりだろう」
に好きな男がいたんだ と、感心するのは俺だけで鷹の目はそれどころじゃない様子。
何も罪が無いロロノアを今にも殺しそうな程、睨んでいた。
いや、罪はあるか・・
父親代わりの鷹の目に娘同然のの恋話なんて罪だろう。
「一体どうゆう事だ・・・?」
「あぁ?あいつに好きな男がいて、会いに行って告るっう事だよ」
それ以上何も言わない方がいい と、視線を送るも鈍感なロロノアには通じない。
一波乱ありそうな気配に俺は早々と自転車に乗る。
「邪魔したな、またどこかで」
別れを言い合う仲ではないが、一言告げ俺はペダルを踏む。
能力で凍った海を渡りながら行先など無い、目的も無い旅路へ出て行く。
「いや〜、一人旅は意外に寂しいね〜」
独り言。
慣れたはずの自転車のペダルが妙に重い。
海軍でもない、散歩でもない、1人の男として旅。
人のぬくもりが必要だったのはではなく、俺だったのかと実感した。
居なくなってから気付く、助けられていたのは俺の方だったと。
風は追い風。
が呼んでくれた、心地良い風に吹かれて進む。