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I’m not prince

第3章 きずあと


 と、姫さんが振り返った。長い髪をなびかせ、唇が言葉の形を紡ぐ。
“またね”
 赤い舌が、血のにじんだあの指を、いやらしく舐める。
「どーしたの」
「んーん、何でも」
 俺は、王子様なんてガラじゃない。せいぜい下男がいいとこだ。
 でも、もしかしたら……、って、思ってしまう。
 明日、どんな顔して、彼女に会えばいいんだろう――。
 ぴろりろりん♪
“まさかトイレでしこってねーだろーなww”
 ……似たよーなもんだよ。





END
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