第17章 雪解けのように
side.
涼やかな秋を過ぎ、息が白くなり始める
今年ももうあと数週間
冷たい風が駆ける道をカラ松と歩く
「さみ」
カ「もうすぐ冬休みだな」
はぁ、と手に息をかけている
冷えてるなら言えばいいのに
俺の手もそんな暖かくはないけど、少しは違うだろうと思い手を繋ぐ
「あぁ・・・どっか遊びに行くか?」
カ「いいな、水族館行きたい」
「さみぃじゃん」
♪~♪~
突如鳴り響く音楽
俺か
画面を確認すると叔父の名前が表示されていた
「わり」
カ「あぁ、構わないぞ」
カラ松の返事を聞いて電話に出た
「・・・もしもし」
蓮『すまないが、今からこちらへ来てくれないか』
「わかりました」
チラと視線をカラ松へ向ける
なんだ?と言うように首を傾げている
「すみません、人を連れて行っていいですか」
蓮『・・・あぁ』
「ありがとうございます、では」
電話を切り、溜息をつく
カ「どうしたんだ?」
「カラ松、ちょっと付き合って」
カ「?あぁ」
再び手を繋ぎ歩き出す
カ「どこ行くんだ?」
「・・・叔父の家」
カ「え・・・俺行っていいのか?」
「いんじゃない、許可はもらった」
いい機会だ
叔父たちに話してしまおう
重い足取りで叔父宅へ向かった