第9章 少しだけ違う日常
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夏休みが明け、また日常が始まる
面倒な毎日、そう思ってたのが嘘のようだ
下駄箱で靴を履き替えていると
?「くーーーーん!」
「十四ま、うぐっ」
声のする方を向く前に脇腹に走る衝撃
「・・・突っ込んでくんなよ」
十「あはは~、おはよー!」
両手をバンザイするように勢いよく上げて言う
「はよ、元気だな」
無邪気な子どもみたいで、思わず頭をポンポンする
?「十四松、いきなり走るんじゃ・・・」
遅れてカラ松が歩いてくる
俺が十四松の頭に手を置いてるのをみて、プッと頬を膨らませた
ポカンとしてる十四松を置いてカラ松の前にくる
「はよ・・・むくれんなよ」
カ「むくれてない」
同じようにポンポンするが、唇を尖らせている
仕方ないな
「・・・そんなに唇尖らせてると吸い付くぞ」
耳元で囁くと、バッと耳を押さえて顔を真っ赤にする
あぁ、おもしれぇ
っつか、可愛いっていうのか?これ
十「カラ松兄さん真っ赤~、どしたの?」
いつの間にか十四松が隣にきていた
「さぁな。予鈴なるし行くぞ」
十「あいあい」
カ「ぁ、待ってくれ」
そんな声を背中で聞きながら歩き出す
こんな日常がくるなんて
楽しいと思える毎日が
笑みがこぼれた
十「あー、君笑ってる!!」
カ「ほんとだ」
右に十四松、左にカラ松
挟まれてヤイヤイ言われる
「・・・気のせいにしとけ」
他の奴らがなに言うか分からない
面倒だ
カラ松だから、それだけなのに、こんなに気持ちが変わるもんなんだな
十四松は・・・まぁ、勝手にくっ付いてくるから仕方ない。友達だもん、て言う
・・・もう、それでいいや
暗く塞ぎ込んでいた毎日が、夜明けのように明るくなった
少しずつ変わる自分と毎日が、少しだけ楽しくなってきた