第2章 出会いは
side.
変なのに関わったな
うかつだった、まさか聴かれるなんて・・・
出来るだけ人に関わりたくない
だから放課後、人がほとんどこない屋上にいたのに
「どうすっかなぁ・・・あいつまた来そうだし」
またどこか独りになれる所を探すのも面倒だ
にしても、話聞かない奴だったな
十四松も大概だけど・・・さすが兄弟と言うべきか
6人全員あんなんなのか?
…もっと面倒だな
やっぱ関わるのやめとくか
「はぁ・・・」
ただでさえ自分が今まで生きてきた状況が面倒だったのに、そこに他人が絡んでくるなんて考えたくない
身内でさえ信じるに値するものとは思っていないのだから・・・
きっとあいつは俺が与えられなかったものを与えられ、俺が知らないものも欲しいものも全て持っているんだろう
十四松の話を聞いていれば分かる
俺がそんな奴と交わる訳がない
「…めんどくせぇ」
踊り場に小さな呟きが響くことなく消えた