第6章 ハプニング
side.カラ松
梅雨時期をそろそろ過ぎるかという頃
今日も雨が降る
それ故に体育は体育館でしかやらない
真ん中をネットで区切り、こちらのクラスはバレーボール
とりあえず別チームだからネットのそばに立つ
?「ナーイス!」
あの声は十四松だな
振り返ってみれば嬉しそうにコートを走り回っている
あっちはバスケか
ダム、ダムとドリブルの音が響いている
ボールを持っているのはだ
微かにの体が揺れたと思った瞬間、素早い動きでディフェンスをかわしてゴールを目指していく
キュッと体育館シューズが擦れる音と共にが跳ね上がりシュートを放った
綺麗な弧を描き、何にも当たらず吸い込まれるようにゴールネットを通る
「ッシ」
十「君、すげー!イエ~」
片手でハイタッチしている
羨ましい、そんな2人に羨望の眼差しを向けてしまう
チーム交代らしくコートを出て行く
は裾で汗を拭いていた
そんな仕草すら俺の心臓を刺激するんだ
程よく引き締まったお腹が見えている・・・変態みたいじゃないか
これ以上心臓がうるさくなる前に目を逸らす
気持ちが膨らむ一方だ
それと同時にワガママになっていく
色んな彼を独り占めしたい
離れているクラスすら疎ましい
嫌だな、こんなヤキモキした気分・・・
やっぱり恋は厄介だ