第5章 表情
読み合わせると言ってもほぼ独白の内容
俺は立ち上がり役に入ろうとする、は本を手に座ったまま
コホン、と咳払いを一つ
カ「あの、そこは私、見つけた席ですの」
がポカンとした後に俯いた
あれ、やっぱり嫌々だったのか…はたまた見たくもないのか
そう考えて項垂れていると
「くっ…ははっ、無理……女言葉似合わねぇ」
カ「し、仕方ないだろう。必ずしも同姓をやるとは限らないからって」
笑われてる
分かったら妙に恥ずかしくなった
「はは、やべぇ…腹いてぇ。くっ…ははっ」
お腹を抱えて笑ってる
普段のからは想像も出来ない無邪気な姿
それでもどこか綺麗な笑顔にドキドキする
そんな顔するなんてズルい
もっとみていたくなる、近くで
「これが楽しいってことか」
ふとどこか遠い目をしながら空を仰いで、彼は呟く
カ「え…?」
「小さい時から家族や友達と遊ぶとかなかったし…そもそも家族って何だろうな」
何となくその目は哀しみに揺れてるような気がした
何で、何の話なのか聞きたい
「…聞きたい?」
見透かされたようで驚く
けれど
カ「が本当に俺に話してもいいと思う日まで待つさ」
「ふーん…そんな日が来なかったら?」
カ「別に変わらない。話そうが話すまいがであることに変わりはないからな」
と言うより、俺が傍にいたいだけ
叶わないなら、せめて友達としてでも
「変わってんな、カラ松…嫌いじゃないわ」
カーッと顔に熱が集まる
ヤンワリと微笑みながらなんてことを言うんだ!
いや、嫌いじゃない=好きではないし、そもそもそういう意味じゃないだろう
だが、今の俺には破壊力がありすぎる
そしていきなり色々起きすぎだ
あぁ、神よ
これは試練ですか
どうか俺の心臓が壊れませんように