第5章 表情
side.
お粥と薬のおかげか、すっかりよくなった
久々に人の手料理食べたな
礼、言っとかなきゃな
いつもは始業ギリギリに来るが、早めにお礼が言いたいのもあって少し早く家を出る
2―A
教室にカラ松がいるのを確認するが、周りに女子がいる
面倒だな
でもせっかく早めに来たしな
教室に入るとざわついた
カラ松の前まで歩いてくると、そばにいた女子が少し離れる
「はよ」
カ「あ、お、おはよう」
「何どもってんの」
何だかソワソワしてどもってる
なんなんだ・・・こんな小動物いそうだな
「こないだ助かった、サンキュ・・・・・・そんだけ」
言うだけ言って離れる
後ろから大丈夫?なにがあったの?と女子の声
何で女って何でも首突っ込んできて、うるさいんだ
当のカラ松は何でもないと言いながら、少し困っている様だった
それを横目で見ながら2―Aの教室を出る
今日は久々に屋上で歌おう
部活がなければカラ松も来るかもなぁ、なんてボンヤリ考える
そう思えば放課後までの時間も苦痛じゃない
ここまでの自分のカラ松に対する考え方の変わりようが不思議で仕方ない
けど、それが何なのか分からずにいた
まぁ、分からなくても困るものじゃないからいいか
早く放課後になればいいのに