第32章 番外編 主人公『で』遊ぼう!
トド松の場合
ト「も~、皆ダメダメじゃん。僕ならもっとうまくやるのに」
兄弟になり切るなんて簡単なのに
まして僕は元相棒だし?
ト「僕の一人勝ちかな」
わざわざ登校中に会うように時間とルート変えてきたし
ここまでしたんだから失敗したくないもん
そう考えながら歩いていると、前方に目的の人物を見付けた
ト「おはよう、」
小走りに近付き、挨拶をする
「・・・ん、はよ」
ふわぁ、と小さく欠伸をしている
ホントいつも眠そうだよね
「珍しいな、こんな時間にいるなんて」
ト「あぁ、たまには一緒に登校したいと思ってな」
「そ」
返事は短いがフワッと笑っている
嘘、あの君が・・・笑ってる
それもすごく柔らかく
兄さん達が言ってたのってこれだったんだ
「どうした?」
意外性と初めてみた感動で思わず立ち止まる
ト「え、あ・・・いや、なんでもないぞ」
「ふーん」
そう会話を交わした途端、指を絡められる
ト「ひゃあ!」
しまった!
「くっ、はは・・・トド松は声高いのな」
あー、バレちゃった
ていうか、なにその無邪気な顔
ト「あ~あ、結局誰も成功しなかったってことかぁ」
「成功?」
ト「誰がうまくカラ松兄さんになって、君を騙せるかって」
「・・・俺騙されてたのか」
え、気付いてなかったの?カラ松兄さん並みにポンコツなの?
似たもの同士お似合いじゃん
「ま、騙されるわけねぇわ」
ト「え」
フッ、と自信に満ちた笑みを浮かべる
「どれだけ似せたって似せられないとこがあるだろ」
彼はそれだけ言うと僕から視線を外して歩き出した
ト「あ、ちょっと!それってなに?」
「・・・さぁな」
そのまま口をつぐんでしまった
お「結局全員失敗か」
チ「まったく、無駄な労力使った」
一「・・・ホントそれ」
十「君すっげ~ね」
ト「てか、これ誰得なの?」
お・チ・一・十「・・・・さぁ?」
かくして を騙そう大会は幕を閉じたのだった