第32章 番外編 主人公『で』遊ぼう!
十四松の場合
十「ん~、カラ松兄さんの真似かー」
ある休み時間
袖を口元に当て、考え込む
十「おそ松兄さんが失敗したって言ってたけど・・・君ってカラ松兄さんのことよくみてるからなぁ」
そう、彼は今まで自分達を間違えたことがないのだ
それこそ見分け方を聞いたら『オーラで』とか答えそうな程
十「でも君は見えてなさそうだし・・・ま、いっか~。やってみよ」
その日の昼休み
十「、昼一緒に食べていいか?」
「あれ、いつの間に来たの。つかいつも一緒じゃん」
ありゃ~、そうなんすか?!
失敗したかな
「変なの」
クスリと微かに笑う
十「!」
カラ松兄さん相手だとこんな笑顔なんだ
トド松が想像できないって言ってたけど、正面から見ると君じゃないみたいだ
「どした?」
十「え、あ、えと」
思わずポーッとしてしまった
「・・・・」
意識を取り戻すために、顔の前で手をパタパタ振る
「で、今度は十四松なのか?」
十「へ?」
「お前らの間で流行ってんのか?兄弟になり切るの」
十「え~、なんでわかったの?」
聞けば君はゆっくり僕の手を指さす
「袖、出てる」
十「あ・・・うっかり」
さっき振った時に出たのだろう
学ランの袖口からトレーナーの袖がダラッと垂れ下がっている
十「あはは~、君すごいや」
「別に。十四松の場合自爆じゃん」
十「僕爆発しちゃうの?!」
「いや、そういう意味じゃなくて・・・ま、いいや」
十「あ~、お腹空いた!僕購買行ってくるね!!」
「え、あぁ」
君の返事を聞くと同時に走り出す
やっぱり手強いなぁ
でもそれだけカラ松兄さんを見てるし、大事にしてるってことだよね
十「きっと皆見破られちゃうね」
きっと君の一人勝ちだろう
それでいいや
あの二人が、あんな笑顔で笑い合えるなら
十「次は誰だろ~」
お次は・・・?