第32章 番外編 主人公『で』遊ぼう!
おそ松の場合
お「やっべ、もう人いないじゃん」
やることもないが、そのまま帰る気分にもならず中庭で居眠りをしていた
誰かが声を掛けることもなく日が傾き始めた頃に目覚めたのだった
お「鞄、鞄~っと・・・お?」
教室に向かう途中C組の前を通ると視界の端に人を捉えた
机に突っ伏して寝ているようだ
そっと近付く
起きる気配はない
お「なんだ、じゃん・・・あ、そうだ」
先日宣言したイタズラ大会にうってつけの状況だと思った
お「んんっ!あ・あ~」
咳払いをして、声を調整する
「ん・・・?」
お「すまん、起こしたか」
なるべく眉間に力を入れ、眉を凛々しくみせる
声も低くし、口調も変える
俺完璧じゃね?!と心の中で自画自賛
「ふぁ・・・終わり?」
のそりと上半身を起こし、欠伸をしながら話す
お「あぁ、帰ろう」
「ん」
ゆっくりと立ち上がったをジッと見つめる
マジでバレてない?こりゃ俺の勝ちだな
「・・・・」
内心喜んでいると今度はが見つめてくる
お「どうしたんだ?」
問うてみるが返事はない
代わりに彼の腕が伸びてきて顎を捉える
そのまま顔が近付いてくる
嘘だろ?!俺このままじゃ!
お「わーーー!タンマ!!」
両手を突出しと距離を取る
「・・・ふっ」
距離を取ると同時に俯き、驚きを隠そうとしていたら微かに吹き出すのが聞こえた
「暇つぶしか?おそ松」
お「へ?」
思わず素っ頓狂な声がでた
お「え・・・なんだ、気付いてたの?」
「まぁ」
お「ちぇ~、自信あったんだけどなぁ」
微かにが笑う
お「あ~あ、つまんね」
「つか人で暇つぶしすんな」
お「いいじゃん。どこでバレた?」
「・・・最初から。流石にキスしようとしたら焦るかと思って」
お「んだよ~、お兄ちゃんすっかり騙されちゃったじゃん」
「じゃーな」
伸びをして鞄を手に取り教室を出て行く
お「あ、何でバレたか聞き忘れた」
ま、いっか
にしても、一瞬で分かるとは
流石と言うべきなのか
お「負けちゃったなぁ」
頭の後ろで手を組み、小さく呟く
はてさて、弟達はどうなることやら
お「あとは楽しむだけだな」
ニシシっと笑う顔を夕日が照らした