第29章 終章 口ずさむのは
side.カラ松
窓からポカポカとした日差しが差し込む春
今年もとはクラスが離れてしまった・・・つまらないな
3年になり、何日目かの授業
眠気に襲われ集中が出来ない
重たい瞼をゆっくり閉じる
思えばもうすぐ1年になるんだな
あの偶然の出逢いから
あっという間だった
いつの間にか好きになって、が好きになってくれて
想いを繋げて、身体を重ねて
それでも尽きることなく溢れる愛おしさや熱情
どこまで好きになるんだろう
いつか言われたみたいに、這い上がることが出来ない程溺れているんだ
そう言えば最近は歌うと言うより、鼻歌が増えたな
本人に聞いてみたら
『そ?わかんねぇ。カラ松と居る時だけじゃない、楽しいから』
なんて言ってたな
そう言ってくれるのが嬉しい
今日は屋上に行ってみようか
初めて出逢った時のように彼がいるといいな
・・・早く授業が終わればいいのに