第23章 甘い君 ※
体を綺麗にし、ふと外をみると暗くなっている
「暗いな、送ってく」
このまま泊めたかったが、明日のこともある
学生だし、そう何日も外泊させるのはいかがなものか
そう考えると学生って自由なようで、そうじゃないんだな
早く働いて引っ越したい
カラ松と一緒にいたい
「歩けるか?」
カ「あぁ、大丈夫だ」
暗く冷えた道を肩を並べて歩く
カ「明日、緊張するな。何で俺もなんだ?」
「さぁ?いいじゃん、俺もいるし」
言って手を繋ぐ
「俺もカラ松がいる方がいい」
カ「そ、そうか」
照れたのか、目を逸らされた
「そういや指輪、つけてくれてんだな」
カ「あぁ。なかなか指に嵌める機会がなくて、ちょっと寂しいけどな。なるべくネックレスとしてでも身につけてるんだ」
「明日つけてきなよ、指に」
カ「え、でも」
「ま、無理にとは言わないけど・・・恥ずかしいんだろ?」
聞けば、うんと小さく返事して視線を地面に落としている
そのままなんとなく会話もなく、松野家に着いてしまった
「んじゃ、また明日な」
カ「あぁ」
そう言いながらも、名残惜しさから手を離すことが出来ずにいた
カラ松も同じなのか、繋がれた手をジッと見つめている
「名残惜しいけど」
そう言って唇に触れるだけのキスをする
「さみぃし、家入れよ」
カ「分かった、明日な」
スルっと手が離される
温もりを失った指先が早急に冷えていく
カラ松が玄関をくぐるのを確認して、その場を後にした