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四季の香り *詰め*

第3章 吉良吉影の殺人理由 *吉影*


*吉良 吉影*

「吉影…、今日は晴れている様ですね
 久々に二人で外に行きませんか?」

そう僕に問い掛けてくるのは、自分自身の身長よりも大きなチェアに腰掛けて窓際から外を眺めている葉音だ。
いや、正確には外を眺めているのでは無く…外の方に向いていると言った方が良い。

「散歩にでも行くかい?
 でも、疲れたらすぐ僕に言うようにするんだよ、無理は葉音の身体に悪いからね」

葉音は産まれ付き身体が弱く病弱だ、それに重なり盲目で一人では生きていけない。
だから僕は幼い頃から何時も一緒に居る。
それは葉音の意思では無く、僕の意思で。

「はい、解っています
 それと吉影、そろそろ昼時ですか?
 喫茶店にも行きたいです」

優しい微笑みを浮かべながら細い声で囁く。
僕の愛しい葉音、何不自由のない様に全て僕がしてあげる。
一人にならない様に何時も一緒に居てあげる、一生側に居るから。
だから僕の隣で優しく微笑んで居て。

「うん、じゃあ何時もの喫茶店にも帰りに寄って行こうか
 ほら」

葉音の綺麗な手を取り、ゆっくりと立ち上がらせる。
それが僕の日常だった。
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