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四季の香り *詰め*

第6章 一緒 *敦*


*矢野 葉音*

「あ~、矢野ちん発見
 どうしたの? こんな処にしゃがみ込んじゃって…汚れるよ?」

散歩中に後ろからそう問い掛けて来たのは勿論の事、紫原君。
紫原君は私の行く処が手に取る様に解るらしく校舎内を散歩している時に呼び出しが有れば彼が必ず私の元へと来る。

「えっとですね、此処に新しい御花が植えられていたのです
 だから観察していました」

「ふ~ん、矢野ちんは本当に花とか好きだよね、見てて楽しいの?
 御菓子食べてる時とおんなじ感じ?」

「はい、楽しいですよ
 そうですね、紫原君からすれば御菓子を食べている時と同じだと思います」

紫原君に向けて微笑み掛けると優しく微笑み返してくれる、余り私の友人からは好かれていない紫原君だけど私は好き。
だって優しいもの。

「あ、そうでした
 紫原君が来たのは赤司君からの呼び出しですか? それとも桃井ちゃん?」

「用件言うの忘れてた
 今回は桃ちんだよ~、次の大会で注目の選手が居るから情報入手を手伝ってくれだってさ
 結局はこっちが勝っちゃうけどね」
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