第9章 君の名を呼ぶ紅と虹 【R18】
「君にとって信長様達との戦国ライフは大切な時間だろうけど、それでも俺はそばにいて欲しい。必ず迎えにいくから」
「うん、佐助君と一緒に居たい…。そばにいさせて」
(離れたくない。ずっと一緒に笑っていたい…)
ぎゅっと佐助に縋り付くときつく抱きしめられる。寄り添いたい、佐助のそばで生きていたいと思う傍ら、一つ拭えない問題が頭をよぎる。そんな思いを察してか、佐助は
「めいさん、大丈夫。信長様のことなら心配しないで」
「え?で、でも…戦になったりしたら…」
ここは乱世。いつ刀を振りかざしてもおかしくない時代。佐助の仕える藩主上杉謙信と信長は敵同士であることは否めない
「戦国武将を敬愛する俺にとって信長様もその一人、手は考えている。心配はいらない」
(なんだろう…佐助君に言われると不安がなくなる…)
「うん、でも…無茶しないでね…」
「ああ、平和に事を運ぶ。今は少し休んで。まだ身体辛いだろ」
「ありがとう…」
少しぎこちない手つきで頭を撫でられる感覚が心地良い。遠くない未来に佐助と過ごせる事を祈りめいは目を閉じた
終