第6章 白く淡い詩と唄 【R18】
優しい手つきで頭を撫でる
「秀吉さん…」
「んー?どうしたんだ?」
「あ、あのね…お、降りて…いい…?」
めいは跨ったままだった
「このままでいいんだぞ、まだ体辛いだろ?」
(無理はさせられないしな)
「えっと…その…は、恥ずかしいいのーーこの体制…//」
(なんだそう言うことか)
手元に布団を手繰り寄せ、ふわっとかける
「これで恥ずかしくないだろ?」
ギュッと抱きしめ胸の鼓動を心地よく感じている
「お前の心ノ臓の音、心地いいな、生きてるって実感する」
「秀吉さん…」
おずおずと顔を上げると少し赤く染まっている
「もう少しこうさせてくれ」
「うん」
暫くすると、スースーと寝息を立て始めためいの髪に口付けを落とした
信長の為に生命を捧げる事が全てだと思ってきた。500年後の平和な日ノ本から来ためいとは生き方も価値観も違う。そんな秀吉を愛し、生きてこそ、信長のへの忠義だと教えられた
ーー秀吉さんがいなくなったら、誰が信長様の右腕としてこの国を、安土を良くするの?生きてる事が信長様のへの恩返しだよ。私とともに生きて欲しい…ーーー
(戦のない世の中に居たからこそ、生きる事の強さを知ってるんだな)
めい寝返りを打ち、ズルりと自身は抜けてしまった。手ぬぐいで優しく拭き取り、夜着を着せ秀吉もさっと夜着をまとい再びめいを抱き締め眠りについた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
外は明るくなり、朝を告げる
(久しぶりだな、こうして抱き締めたまま迎える朝は)
甘く優しい目覚めの時、幸せな時間を噛み締めながら、流れ落ちる髪をそっと後ろへと流すと
(ま、まずいな…)
昨日首筋に付けた赤い跡が襟から見えてしまう場所ではないか?と悟った
(政宗が見たら、いや、信長様が見られたら…)
「はぁーー」
思わずため息が落ちる
「んんっーー、秀吉さん、おはよ」
何も知らないめいがちゅっと口付けをしてきた
驚いた秀吉だが柔らかな笑みを浮かべ口付けを落とし返す
「おはよ」
めいの癖癖、甘える時の顔をぐりぐりと擦り付けると髪がさらりと滑る
「あっ」
思わず声を出してしまう
「どうしたの?」
「あ、いや、その…なんでもない」
(まずい)