第4章 白夜に映りし碧と翠 【R18】
(どうして謙信様は思いつめた顔をするんだろう…)
ほんの一瞬の事だが、気のせいだとは思えない
「謙信様にはもっと笑っていて欲しいです…戦をしないでくれとは言いません…ただ、もし謙信様の身に何かあれば私は…」
「俺は死なん。そんな柔なものではない」
「謙信様が怪我をして血を流す事があれば私は悲しいです…傷ついて欲しくないんです…」
(何勝手なこと言ってるんだろ…バカだよね私…)
顔を伏せ、膝の上で丸めた拳に力が入る
「勝手な事を言って、ごめんなさい…頭を冷やすために帰りますね…ゆっくりしてくださいっーー」
背を向け立ち上がろうとすると手首をギュッと捕まえた
ーー行くなーー
「え…きゃっ//」
体勢を崩し謙信の胸に抱きとめられると、閉じ込めるようギュッと包み込まれる
「お前の言葉ひとつひとつが俺の心を締め付ける…お前をこのまま俺の手の中に閉じ込めてしまいたい」
「け…謙信様…」
おずおずと顔を上げれば悲しみや苦悩が入り混じった顔でこちらを見つめる謙信の顔がある
「女など儚く無意味な生き物だ…だがお前は…」
引き寄せられるようにそっとめいは謙信に口付けを落とした
そっと、壊れ物を扱うように優しく唇を重ねる。ぎこちないながらも震える唇をゆっくりと開き謙信の下唇を喰んだ
「…っ」
驚き目を見開けば睫毛を濡らし慈しむように唇を啄むめいの温もりが体を駆けめぐる
チュッと音を立て唇を離しためいら一滴の涙を零した
「私は謙信様のような強さは持ち合わせていません…だけど、謙信様が辛い時、私は貴方を支えたいんです」
ーー誰よりも貴方を愛していますーー
「めいーー」
引き寄せられるように唇が重なった
暖かく柔らかな感触。何度も角度を変え優しく喰まれ息継ぎの為に唇を開けばスルりと舌が入ってくる
「はぁーーっん」
めいの舌を誘うよう舌先で愛撫すれば恐る恐る舌を差し急性に絡め取り吸い上げる
強弱をつけ、何度と絡め取っては吸い上げられ、唇を離すと銀の糸が名残惜しく二人を繋いだ
頬から滑るように口付けを落とし、優しく髪を片方の肩にかければ艶めかしい首筋が露になる
強く吸い上げられチリっとした痛みと共に紅い華が散る
襟に手をかけ、少しずつ広げ鎖骨が顕になると舌を這わしまた紅い華を刻む