第24章 秀吉生誕~乱世のぶいっふぇ~ 【R18】
太陽が真上を指す頃
安土城大広間にて上座に座る信長を率い、政宗、家康、三成、光秀、そしてめいがいつになく静かに軍議を行っている
「めい、貴様の言う、秀吉へのさぷらいずとやらを詳しく話せ」
武将達は聞きなれない言葉に目を見張り首を傾げ
「何だ?さぷらいずとは?」
「あんたの言動も話もいつもながら奇天烈だよね」
「あ、あの…さぷらいずとは、簡単に言うと相手を喜ばせるために内密にし、驚かせることをさぷらいずと言います。」
「へぇ。そのさぷらいずというやつで秀吉を喜ばせようと秘密裏に策を練ろうということか」
話を理解した政宗がニヤリと笑う
「うん。日頃頑張ってる秀吉さんをお祝いしたくてね」
「で、何か策はあるのか?」
「実はビッフェと言う私のいた世の宴をしようかなと」
「びっふぇですか?」
「うん、色んなお料理を大皿に持って、個々に好きなお料理を食べれる分だけ乗せて、自分の席へ持って行って食べるの」
お膳に決まった料理を盛り付け食べるの、現代の定食のような食式ではない為、信長達は興味津々に食い入った
「膳が運ばれることなく、自ら選び食べるのか。ほぉ、それもまた新たなる食のあり方だな」
「なら、美味いものを用意しないとな。まずは食材からな」
「私もお手伝い致しますね、政宗様」
「三成は秀吉さんへの祝いを用意してればいい」
腕がなると張り切る政宗と、手伝うと天使スマイルを見せる三成
すかさず止めに入る家康を他所に光秀は何も言葉を発さない
「あの、光秀さん、どうかしましたか?」
「問題はあの世話焼き男をこの場から遠ざける事だな。鼻が利く奴だ。めい、お前が下手をすればすぐに分かるぞ?」
「…っ…」
サプライズの為とはいえ、どう誤魔化すか、痛いところを突かれる
「ならば俺の領地となった諸国へ視察に行かせる。三成、秀吉とともに出立しろ。決して悟られるな」
「畏まりました。秀吉様の生誕をお祝いする為に私も一肌脱ぎます」
「三成、余計なことしなくていいから、いつも通り視察同行に撤して」
手料理を振る舞う事に腕がなると意気込みたっぷりの政宗、相変わらず天使スマイルの三成、三成の言動に嫌気しか見えない家康、相変わらず腹の内が読めない光秀、余裕の二文字以外何事も不必要といわんばかりの信長…