第21章 空に舞う花~光秀~【R18】
微睡みの中、ほんのりと温かくて揺り籠の中に居るような感覚がする
「んんっ…」
心地よさはほんの一瞬、何だか息苦しい
「んんっ…ん」
鼻元をきゅっと摘まれていた
「んん…み、みつひれしゃん…」
ふわふわとした感覚と鼻を摘まれツンとする感覚が交差する
「酷い顔だもうすぐ花火が始まるぞ?」
(花火…?)
「あっ…」
見たかった花火がもうすぐ打ち上がる。お酒のせいで思考回路が上手く機能してない為、やっとの思いで体制を起こした
「あ、あの…ここは一体?」
見慣れない部屋。布団と行灯だけの物のない部屋にいる
「ここは、城内で俺が使っている部屋だ。俺の御殿へ行くには時間がかかるからな」
天守閣からほど近い部屋。取り急ぎの要件がある際はここを使っていると聞いた
(こんな部屋あったなんて…知らなかった…)
現代で言う物置部屋のような場所を寝室として、手入れし、使っている
「光秀さん、運んでくれてありがとうございます」
お酒の力もあって気分が高揚している
申し訳ない気持ちより、二人きりになれた嬉しさが募りふにゃふにゃ笑ってお礼を述べた
「相変わらず、腑抜けた顔をしおって」
意地悪な笑が浮かんだ瞬間
ーーーーヒューーーードンッーーー
「わぁー!!花火上がったー!!」
(綺麗ー!!)
夜空を彩る煌びやかな光。大きな音とともに花火が打ち上がった
「光秀さん!花火上がりましたね!凄く綺麗!!」
欄干に体を乗り出し食い入るように花火を見つめる
色彩は正直少ない。ただ枝垂れ桜を彷彿させるような下降し流れ落ちる花火が心を掴む
「何発上がるんだろ…綺麗ですね…きゃっ!!」
不意に後ろから抱きすくめられる
顔を覗き込むとすかさず唇を奪われた
「んんっっー!!!」
頬を滑り顎にかかる光秀の手
とろりとした舌が差し込まれ片方の手は帯に手をかけていた
「ふぁっ…み光秀…さん!」
「花火も良いがおまえを愛でるもまた一興」
しゅるりと音を立て解かれた帯。合せは緩くはだけ手を差し込めばたわわな胸にすぐたどり着かれた
「やっ…だ、駄目!花火…上がって…あぁっ…んんっ!!」
長い指は頂を目がけ一直線に滑られされる
到達するやこりこりと指で摘まれ硬くしこるのはすぐだった